「バレンシアガ(BALENCIAGA)」がデムナ(Demna)による最後のプレタコレクションとなる2026年春コレクションを発表した。デムナからのコレクションノートの全文は以下の通り。
このコレクションは、「バレンシアガ」での10年間、私のクリエイティブビジョンとファッションにおける研究の一部となってきた多様なデザインコードを体現しています。異なる35にわたるコレクションからのアイテムと、私のパーソナルなワードローブから選んだ新しいアイテムやガーメントを組み合わせ、私のビジョンを定義してきたボリュームやシルエット、アティテュードを表現しています。そして、現代のワードローブについて、また、人々が実際に何を着ているのか、どのように着ているのか、ラグジュアリーとファッションの微妙な境界線はどこにあるのだろうかといった疑問を、このコレクションは示しています。
このコレクションに取り組むことは、長い歳月を経て故郷に帰ってきたような気分で、ファッションとドレスメイキングへの愛というとても手ごたえのある経験に感じました。「バレンシアガ」での私の仕事や、総じて、ファッションとドレスコードにおける人類学を中心に展開することが多かったため、今回のコレクションのイメージを、アリ・ヴァースルイス(Ari Versluis)とエリー・イッテンブローク(Ellie Uyttenbroek)と共に制作することにしました。彼女たちの「Exactitudes」シリーズは、これまでの私のファッションへのアプローチに強い影響を与えてきました。
「バレンシアガ」の“archetypes”(原型)、つまり、この素晴らしいメゾンでの私の仕事の根幹をなしてきた人々やシルエット、バイブス、アイデアそれらを創造することで、私は素晴らしい時代の終わりを捉え、祝福したいと考えました。次の章へと進みながら、これは、私とチームが過去10年間取り組んできたクリエイティブな研究と仕事への賛辞です。また、このクリエイティブなプロセスを通して、メゾンを中心として作り上げ繋がりを築いてきた、最も忠実でファッションに敏感なオーディエンスの皆様への私からのラブレターでもあります。
最後になりましたが、このメゾンでの最後のクチュールショーを迎えるまでの数日間、バレンシアガ バイ デムナ(Balenciaga by Demna)が開催されます。これは私がキュレーションしたレジュメ・エキシビジョンで、この10年間で築かれ、洗練されてきたこのメゾンにおける私のクリエイティブビジョンを定義する、最も重要な要素の一部を展示します。
ありがとう、そして永遠の愛を。