松屋銀座本店は1日、開店100周年の記念セレモニーを開催した。
開店前に社員向けの祝賀会に登壇した松屋の古屋毅彦社長は、「百貨店は人とのつながりで成り立っている。社員、取引先、お客さま、そして銀座の街の人々にありがとうと伝えたい」とスピーチ。「つなぐ、つながる、つなげる」という100周年のテーマを強調しながら、感謝の意を示した。
あさ11時の開店時には役員や社員が法被(はっぴ)姿で客を出迎え、手渡しで記念冊子を配布した。銀座の老舗として長い付き合いのある煎餅の松﨑商店の松﨑宗平取締役、和服の銀座もとじの泉二啓太社長、若手経営者が集まる銀実会の露木佐瑛子理事長(天ぷらの銀座天國5代目)らと、鏡開きを行い、来店客にお酒を振る舞った。
松屋は関東大震災で神田の本店と横浜の支店を焼失した後、1925年5月1日に現在の銀座本店を開いた。終戦の45年11月から7年間は進駐軍に接収されてPX(進駐軍とその家族のための店舗)になり、百貨店の営業ができなかった。その後も高度経済成長やバブル崩壊、リーマンショックなどの荒波を乗り越えてきた。
4月に発表された同社の2025年2月期連結業績は、売上高に相当する総額売上高が前期比19.3%増の1371億円で、過去最高を塗り替えていた。旗艦店である銀座本店の総額売上高は、前期比20.3%増の1224億円。館単位でも売り上げレコードを更新し、100周年に花を添えた。