ビューティ

V字回復の「グロシエ」、ボディーケア市場に参入 ボディーミストを発売しフレグランスカテゴリーを強化

米コスメブランド「グロシエ(GLOSSIER)」がボディーケア市場に参入する。デオドラント製品の“サンドストーン”と“オレンジブロッサム・ネロリ”の香りを生かし、ボディーローションとボディーウォッシュ、ボディーミストを6月に発売。価格は28〜35ドル(約4000〜5000円)で、ECと直営店、化粧品小売のセフォラ(SEPHORA)で取り扱う。

「グロシエ」は、エミリー・ワイス(Emily Weiss)創設者(現エグゼクティブ・チェアマン)が2014年に創業。ピンクを基調としたメイクアイテムがミレニアム世代を中心に支持されたが、ここ数年人気が低下。21年の売り上げは前年比26%減と低迷していた。ところが23年には同73%増とV字回復を遂げた。

カイル・レイヒー(Kyle Leahy)最高経営責任者(CEO)は、「私たちのビジネスで最も勢いのあるカテゴリーはフレグランスだ。次世代のフレグランスメゾンとして、どのようなイノベーションを生み出し、市場をけん引できるかが問われている。引き続きフレグランスカテゴリーに注力し、流通拠点をさらに拡大する」と述べる。「グロシエ」は昨年、当時ベストセラー製品だった“ユー(You)”(8mL、32ドル=約4600円/50mL、78ドル=約1万1200円/100mL、112ドル=約1万6100円)の新コレクションとして“ユー レーヴ(You Rêve)”(8mL、32ドル=約4600円/50mL、78ドル=約1万1200円)と“ユー ドゥ(You Doux)”(同)を発売。業界筋は、2製品の初年度の合計売上高は4000万ドル(約57億6000万円)に達すると予想していた。

成長するフレグランス市場

レイヒーCEOは、「『グロシエ』は、比較的高価格帯に位置する“ユー”のようなアイテムから、リップバーム“バーム ドットコム(Balm Dotcom)”(全11色、各16ドル=約2300円)のような手頃な製品までそろえる。ブランドとしての多面性や、ライフスタイルブランドとしての打ち出し方は非常に重要」といい、「顧客のことを考え、ボディーケア市場には手頃な製品群で参入する」と強調する。消費者行動の調査会社サカーナ(CIRCANA)によれば、米国においてフレグランスはプレステージビューティの中で最も急成長しているカテゴリーだ。フレグランスは2025年第1四半期にプレステージ市場で前年同期比4%、マス市場で同8%成長した。

「グロシエ」は23年、デオドラントカテゴリーへ進出。“サンドストーン”と無香料の2タイプを市場に投入し、ほぼ即座に人気を博した。レイヒーCEOは、「48時間で1万8000人の予約待ちが出た」と振り返る。「“サンドストーン”の香りの人気は継続すると見ており、“オレンジブロッサム・ネロリ”とともにボディーケア製品に採用した」と続ける。

レイヒーCEOはさまざまな方法でブランドの拡大に着手しており、今月フランスのセフォラで販売を開始する予定だ。

本文中の円換算レート:1ドル=144円

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